あべ・やすし 近刊 「『読書と豊かな人間性』的価値観の問題―図書館と自文化中心主義をめぐって」『社会言語学』25号、1-22ページ
結論として整理すると、要するに「読書」を「活字を読むこと」と位置づけて「豊かな人間性」と関連づけることは自文化中心主義にもとづく読書論である。自文化中心主義をすてさるためには「読書」の位置づけをとらえなおす必要がある。すでに指摘したように、読書の意味をせまくとらえることをやめて読書のハードルをさげる必要がある。
「4.3 能力主義、自文化中心主義の問題」より
もくじ
1. はじめに―読書の社会的位置づけと図書館
2. 司書教諭テキスト『読書と豊かな人間性』の経緯と内容
2.1 『読書と豊かな人間性』とは
2.2 内容の傾向と問題点
3. 読むこと、読書について図書館の内外で議論されてきたこと
3.1 国による読書推進について
3.2 権利としての読書について
3.3 現在の読書論
4. 読書問題、図書館問題は人間像、世界観の問題である
4.1 音声言語至上主義、活字至上主義の問題
4.2 図書と情報を分離することの問題
4.3 能力主義、自文化中心主義の問題
5. おわりに―情報の かたちを ひとに あわせる
参考文献
あべ・やすし (ABE Yasusi)
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