※このページで紹介する写真はすべて、あべが撮影したものです。
社会言語学では言語景観の研究が人気のようです。街中で多言語表示がされていたり、二言語表示があったりして、さまざまな言語表記が風景となっています。その状態は、その社会の状況をうつしだしています。その社会における言語の位置づけを象徴しています。単におもしろいというものもあれば、これはひどいというものもあります。言語として語法にまちがいがあるという場合もあれば、内容が不適切で、差別としか感じられない場合もあります。機械翻訳を過信しすぎると失敗します。人を不快にするような表示は、なるべくさけたほうがいいでしょう。なお、目についたものを撮影しているので、残念なものがほとんどですが、とても大事な多言語表示も各地にたくさんあります。
写真1:京都市交通局。日本語は敬語、日本語以外は命令形。
写真2:京都のラーメン屋。漢語で、漢語のメニューがないこと、漢語のできる店員がいないことを表示。最近は「〇〇語のメニューあります」とアピールしているお店が多いです。こんなふうに、その逆バージョンも、たまにあります。
写真3:京都市内の中華料理店。これも漢語と英語で「当店は中国語ができません」と表示。
写真4:京都市内。漢語と朝鮮語は「タバコポイ捨て禁止」の「タバコポイ」が翻訳されないまま「タバコポイ、捨てて禁止」などと、意味不明になっている。残念な機械翻訳。
写真5:京都市内。「○○につき」という表現は残念な機械翻訳になりやすい。
写真6:京都府舞鶴。日本海側なので日本語とロシア語。きちんと直訳になっているそう。
写真7:京都府舞鶴。案内看板にもロシア語が。
写真8:京都駅八条口。「”路上喫煙禁止”を13箇国語で表記しています」とのことだが…。ひどい機械翻訳。
写真9:京都駅八条口。「”路上喫煙禁止”を13箇国語で表記しています」の翻訳がひどいと指摘されたのでしょう。その上に無理やり日本語の貼り紙。かくして、なかったことにする。
写真10:京都駅八条口。新型コロナ感染拡大防止のため、喫煙所が封鎖される。
写真11:京都市内。「”路上喫煙禁止”を13箇国語で表記しています」の改善バージョン。英語も「STOP SMOKING ON THE STREETS」に。
写真12:京都市内。本能寺。「朝鮮通信使ゆかりの地」の案内看板。日本語、朝鮮語、英語、漢語で。いいですね。
写真13:京都市内の公園。新型コロナ感染拡大防止のための案内。漢語がひどい機械翻訳。朝鮮語は大丈夫に見えて、したの表示では禁止の「止」がまちがっている。タイプミス?
写真14:奈良。シカについての注意事項。大事。
写真15:奈良の観光案内所。2月21日。新型コロナについての情報。英語でNHK WORLDの案内。QRコード活用。
写真16:JR奈良駅。運行状況はQRコードでとの案内。
写真17:大阪市内。よくある防犯カメラについての多言語表示。英語が残念な機械翻訳。
写真18:大阪市内。防犯カメラについての多言語表示。今度は機械翻訳ではない様子。漢語は「工作中」がちょっと不自然か。
写真19:東京の地下鉄構内にて。「偽装結婚は犯罪です」。日本語以外に6言語。
写真20:東京の地下鉄。券売機の多言語対応。日本語以外に6言語。
写真21:愛知県豊田市。禁止事項についての3言語表示。日本語、英語、ポルトガル語。
写真22:愛知県豊田市の団地。ゴミステーションにローマ字日本語が。日本語が話せて漢字の読み書きが苦手な人には大事な表記。
写真23:愛知県岡崎市。「危険 歩きスマホ」を英語で。単語翻訳という感じ。「No Texting While Walking」という表現が一般的です。
写真24:三重県四日市市役所。申請書類の書式がスペイン語とポルトガル語も用意されている。大事。
写真25:三重県四日市国際交流センター。託児つき日本語サークルの案内を多言語で。大事。
写真26:北海道小樽(おたる)市。指定ゴミ袋。ロシア語も。
写真27:韓国プサンの地下鉄券売機。日本でもよくあるように多言語対応。
写真28:韓国プサンの地下鉄構内。日本語案内。シルバー通訳士。高齢者雇用事業。高齢者にも(世代を問わず)日本語ができる人が多い。
写真29:台湾台北。避難所の看板。東南アジアの言語が表示されている。
「多文化社会とコミュニケーション」(金曜3限・4限)
専用ウェブサイト:http://hituzinosanpo.sakura.ne.jp/tabunka2020/