図書館総合展フォーラム in 大分（障害者・本・図書館員をつなぐ図書館づくりのために）第2分科会 当日配布資料

2016年9月5日

身体障害と図書館
移動だけでなく情報にもバリアがある

ファシリテーター：あべ・やすし
愛知県立大学 非常勤講師/日本自立生活センター非常勤職員（介助者）

ふりがなを つける

ふりがなを とる

身体障害といってもいろいろ

• からだのどこに障害があるか
• それは、いつからか
• どの程度か
• 手を使う人、足を使う人、口やあごを使う人
• 電動車いすか手動車いすか、つえを使っているか
• 介助サービスを利用しているか
• 独居か家族と暮らしているか、あるいは施設か病院か
• 重複障害、二次障害があるか

経験もいろいろ

• 学校教育をどれだけ受けてきたか
• 読書をどれだけしてきたか
• うまれつきか、中途障害か

就学猶予、就学免除によって学校教育を（ほとんど）受けていない場合も

養護学校が義務教育の対象になったのは1979年

ちょうどいい机の高さも、人それぞれちがう

• 車いすの大きさ（大きな電動車いすもある）
• 背の高さ
• ひざがまがらない人、腰もまがらない人

これまでの学校教育は、人を型にあてはめてきた

• 机やいすの均質性
• 手書きを当然視

バリアフリーとは、均質性からの脱却

そこで必要になるのは、

• かたちをかえることができること
• 複数の選択肢があること

モノのかたちに人をあわせるのではなく、人にモノのかたちをあわせる

具体例(1) マウスやキーボードが使えない人

• 音声入力
• スイッチ
• 視線入力
• 介助

具体例(2) 文字の読み書きが苦手な人

• 録音図書
• 読み上げソフト
• 対面朗読
• リファレンスサービス

音声入力、読み上げはスマートフォンやタブレットでもできる

スイッチも安くなってきた

• でも、身体障害者は読み上げやスイッチをどれだけ活用できている?
• スイッチのことを知らない人、試してみたい人もいる

実践例(1)

三重県立図書館

• マウス補助具とスイッチをつかって蔵書検索できる (ホームページや障害者サービス案内チラシに明記)

http://www.library.pref.mie.lg.jp/?page_id=83

実践例(2)

岡山市立図書館

• 移動図書館による配本サービス(月に1度自宅を訪問)
• スカイプを利用した代読サービス

http://www.city.okayama.jp/kyouiku/chuotoshokan/chuotoshokan_00134.html

移動面の例 ノンステップバスの運行状況は？

• ホームページに情報がない
• 図書館員はノンステップバスの有無や状況を把握しているか

もっと宣伝しよう

もっと交流しよう

まずは、マイクをわたしてみること

意見交換をすること

アウトリーチは出会うことから

（2016年 9月4日 掲載）

あべ・やすし （ABE Yasusi）